「忙しい毎日に追われて、自分らしさをどこかに置き忘れていないか」。ふとした瞬間に、そんな寂しさが胸をかすめることはありませんか。40代や50代の私たちは、職場の責任や親の介護など、常に「誰かのための自分」を演じ続けています。静寂を求めて携帯の音を消し、波風を立てないように過ごす日々。でも、心の奥底には自分だけの「好き」が、静かに息づいているものです。
普段、私は携帯電話の着信音を鳴らさないようにしています。しかし先日、久々に音を出す必要があり設定を確認したところ、スピーカーから『特捜最前線』のメインテーマが流れ出しました。この作品は1977年から約10年続いた長寿刑事ドラマです。特撮出身の俳優やスタッフが多かったことから、当時は「特撮最前線」なんて揶揄されることもありました。
でも、私個人としては、アクションの派手さよりも、泥臭く描かれる濃密な人間模様が大好きでした。放送期間が長いため作風は少しずつ変化しましたが、根底にあるのは、やるせなさと優しさが入り混じった大人のドラマです。事件が解決しても手放しでは喜べない、重厚な後味。エンディングで『私だけの十字架』が流れ、静かに幕を下ろしていくあの空気感は、今の自分にも深く響きます。
日常の中で「自分の色」を大切にするコツは、どんなに忙しくても、自分だけの小さなこだわりを生活の隅に残しておくことです。着信音を一曲選ぶだけでも、それは立派な自己表現になります。注意点として、周囲の目や流行ばかりを気にしすぎないこと。虚淵玄さんの物語のように、たとえ世間から浮いて見えても、自分にとっての「真実」を大切にする姿勢が、心の平穏を支えてくれる気がします。
一瞬流れたメロディが、忘れていた熱い気持ちを思い出させてくれました。
自分がかつて心を震わせた名作や、今の自分を支えてくれる音楽について、改めてじっくり整理してみたいものです。配信サービスで『特捜最前線』の傑作選を探したり、あの切ないエンディング曲を聴き直したりしてみよう。そうやって自分の「心の根っこ」を慈しみながら、また明日からの日常をしなやかに歩んでいきたい、そう強く感じました。