「子供のためを思って提案した良い習慣が、たった1回でフェードアウトしてガックリした経験はありませんか」。40代や50代の私たちは、職場の板挟みや家庭のドタバタに揉まれながら、子供の成長を優しく見守ろうと日々試行錯誤しています。本人の自主性を尊重して見守ると決めたものの、布団から一向に出てこない姿を見ると「また三日坊主か」と脱力してしまいますよね。一度きりで途切れた朝散歩のシューズを眺めたとき、私は「親が用意したルートを歩ませるのではなく、本人が『これならできる』と思える小さなスイッチを自ら押させることこそが、モチベーションを育てる鍵なのだ」と痛感しました。
先日、学校行事に備えて娘と一緒にスタートした朝の散歩での出来事です。
張り切って初日を終えたものの、なんとその1回きりで散歩作戦はあっさり終了。自主性を尊重して静観することに決めましたが、夏休みの朝の重力には勝てず、早起きは相当ハードルが高かったようです。しかし、落ち込む私をよそに娘の口から出たのは「朝のラジオ体操ならできそう!」という意外な一言。これも夏休み最初から言っている内容ですが、未実施。本人のやる気メーターが動くポイントなかなかないようです。
強制ではなく、子供が自発的に気持ちを高めて行動を起こすコツは、「やらせる」のを諦めて「ハードルを地表まで下げる」ことです。
一つ目は、散歩のように家を出るハードルを捨て、室内で3分で完了するラジオ体操やストレッチなど「超軽量な選択肢」を本人に選ばせること。二つ目は、できた日には「お、画面の前まで立てたね!」と結果ではなく行動のきっかけ自体を軽く褒めることです。注意点は、「散歩はどうしたの?」と過去の失敗を引き合いに出し、せっかく芽生えたやる気を削ぐことです。
親の計画通りにいかなくても、「次はラジオ体操で来るか!」とドタバタを楽しむ心のゆとりこそが、大人世代の育児をラクにすると感じています。
まずはNHKのラジオ体操をサラッとセットし、娘の隣で自分も適当に体を伸ばしてみることから始めてみようと思います。これまで数々の想定外を柔軟なアイデアと直感で乗り越えてきた私だからこそ、ここでも無理に誘導せず、試行錯誤の過程自体をマイペースに楽しんでいけるはずです。目まぐるしい日常の中でも、幾原邦彦監督の作品のようなコミカルで予測不能な展開を面白がりながら、愛する家族と笑顔で過ごす朝の時間を大切にして、娘の小さな一歩をあたたかく見守っていきたい、そう強く思いました。